白いタカ　E.アーノルド作　瀬田貞二訳　岩波少年文庫 新年の贈り物

★昭和39年（1964年）第5刷発行。函付き。★函＝背ヤケ、全体に経年のヤケ、保管上のスレ傷　　　汚れ有。★本体＝背ヤケ、三方に経年ヤケ、汚れやや有。　　　　見開き、見返しにヤケ、本文に紙面黄変　　　　周辺部にヤケ有。汚れのあるページ有、　　　　紙面下部に亀裂破れのあるページ有。　　　　（画像参照）　読み始めると、一気に読みたくなる冒険物語です。ただ、インディアンの出てくる冒険譚かと言うと、そうでは無いのです。　人種問題、異文化をいかに受け入れて行くか、同じ民族内でも起こるいざこざ、本書は一人の青年が、自分がどの様に生きて行くかを決め、腹を括って物事に当たるかを活写した物語なのです。　主人公のジョン少年は、1700年代の開拓民の子供です。冒頭、未だ幼かったジョンは、インディアンのオタワ族に攫われます。子を亡くして半狂乱のインディアン妻が、代わりの息子を連れて来てくれなかったら死ぬ、と騒いだからです。　一人では道もわからず帰れないジョンは、次第にオタワ族、インディアンの息子として成長して行きます。　当然、部族内では同族と見なされず、白人の子と言われ、差別に遭います。ジョンはどうしたか？まず、舐められない様に強くならねばと自己を鍛錬し、13歳になる頃には喧嘩は強い、狩は凄腕、断食は5日もできるようになります。　年に似合わない落ち着きと、トラブルになった時の冷静さは、養い親へ族長から息子を買いたいと申し入れが有るほどになります。　納得がいかないのは、ジョンがインディアンの習わしをしっかりと学び、誰よりもインディアンらしくなり、強く冷静沈着、戦さにも恐れず参加する様になればなるほど、部族の同年代の少年たちから嫌われた事です。　ジョンは成長し、白人社会（毛皮商で、インディアンと交易をする会社）とインディアン部族の仲介を務め、（上手く騙されて搾取されてしまうインディアンが多数いた為）その頃には部族からの信頼も厚くなっていました。　プライドを持って正しく行動するには、人をなじらず、且つ虐められずに一目置かれる存在になるには。白いタカと呼ばれるようになるまでの、ジョンの生き様は必ず参考になると思います。　状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。古書にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。

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